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京橋というと、おれは京都を連想する。なぜか――?「京」という字がかぶっているからだ。単純明快な理由である。他には何もない。しかし、それだけでこの話が終わるのも味気ない。まだまだ夜は長いのだ。ついでだから京橋と京都の共通点を探していこうとおれは決意した。「決意」だなんて大げさだなあ――という声も聞こえてきそうだが、おれは真剣なのだ。なにせ今夜は何もすることがない。昨日までいっしょに暮していた最愛の妻と最愛の娘は、おれが帰宅したらいなくなっていた。単に、二人でどこかへ出かけているのだろう――と思いもしたが、すぐにおれは考えをあらためた。家の中は妻と娘がいなくなっているだけではなく、家財道具一式も忽然と姿を消していたからだ。これは異常事態である。だが、部屋を荒らされた形跡はない。泥棒が入ったというわけでもないだろう。なにせダイニングテーブルの上には書置きがあって、「探さないでください。さようなら」と残されていたのだ。まさか泥棒が妻と娘と家財道具を盗んで、こんな書置きを残したりはしないだろう。おれは広くなった部屋の中央に寝転んで、スマホをとりだし、デリヘルを頼んだ。人妻が抱きたい気分だった。人妻デリヘル求人を出しているほどの忙しそうな人気店を利用した。ストレスを発散した。

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今日は子供も家事も旦那に任せて、友人と好きなアイドルのライブを見るために大阪城ホールに来ている。ライブまでに時間があった為、大阪城公園すぐ近くのホテルニューオータニでランチを済ませ、久しぶりに天守閣を見て回ったり、京阪モールでショッピングを楽しんだりしている内あっという間に開場時間になったので会場まで戻り、その後は友人含めとても楽しくライブを楽しんだ。帰りはお酒を飲みながらあれが良かった、あの子が可愛かったと話に華を咲かせて帰路についたのだが、友人と別れてひとりになった時に見知らぬ男性に声を掛けられた。特にナンパ等でもなさそうな、普通のお兄さんだったのでつい足を止めてしまったのだが、どうやら夜の仕事のスカウトマンらしい。今まで考えたこともなかったが、最近は家計が苦しくなにか仕事を始めようと真剣に考えていたため、良い条件を目の前で挙げられた私は少し興味を持ってしまい、名刺だけをもらってその場を後にした。家に帰り、ぼんやりと風俗求人を眺めていると“体験入店”だけなら・・・という気持ちが生まれ、貰った名刺に書いてある京橋の人妻デリヘル店へ連絡を入れて、面接の日時を取り次いでもらいこの日は眠りについた。

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今日、久しぶりに地元の帰ってきた。家を出てかれこれ6年になる。1人暮らししてるのは『なかもず』実家は同じ大阪だが『京橋』と言うまあまあ都会よりで、『なかもず』とは…環境が違う(笑)今回、帰ってきた理由は仕事の都合で横浜に行ってたツレが一時帰宅するからみんなを集めて飲もう!と言うことになったのだ。話は進んでいくのになぜか場所がまったく決まらない…自分自身も地元から離れてしばらく経っているので、『京橋』を検索することにした。《新京橋商店街の入口にある、真実の口》《豊臣政権の本城 大阪城》《OBP》《泉布観》《藤田美術館 》《難波宮跡 》《造幣局/桜の通り抜け》《天満青物市場跡の碑 》《ピースおおさか》とかなりのワードがヒットした。どれも『京橋』の観光地にあたることを今まで知らなかった。こんなにあるんだ…と思いながらネットサーフィンをしていると『高額求人一覧!!』と書かれているのに目がとまり見ているとキャバクラ・ツーショットキャバクラ・ヘルス・デリヘルと女性向けの一覧が掲載されていてちょろっと目を通していると『人妻デリヘル求人!』ときらきら輝くワードが目に入った。『人妻』って響きがなんか…飲み場所を決めるつもりでネットサーフィンしてたのに…結果的にツレの実家が経営してる飲み屋で飲むことになった。

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流れ流れて大阪の京橋に来たので、まずはお好み焼きでも食うべきだと思った。でも、おれはお好み焼きが嫌いだった。そのことを思い出して愕然とし、やがて憤慨した。お好み焼きが嫌いなのに京橋に来たなんてマヌケすぎるではないか。それに京橋に失礼だ。そのとき、雨が降ってきた。天気予報ではバカッパレだという予報だったのに、突然のゲリラ豪雨だった。おれは雨が降る空を見上げた。空が泣いていると思った。きっと京橋という街のかわりに、泣いているのだ。お好み焼きが嫌いだというおれのために、泣いてくれているのだ。おれはもらい泣きした。たこ焼きは好きか――と空が聞いてきた。おれは首を振った。粉モンがそもそも嫌いなのだ――と心の中で答えた。雨が本降りになってきた。おれは京橋の街のまんなかで立ちつくし、空の涙を浴びた。もうずぶ濡れだった。しかし、おれは濡れるだけでいいが、京橋の街は心に深い傷を負っているはずだった。おれは京橋に心底申し訳なく思った。おれにはただ、京橋に同情してやることくらいしかできないのだ。無能なおれ――なんのとりえもないおれ――どんなに自虐を重ねても、なんにもなりゃしなかった。おれはさびしい足取りで人妻デリヘル求人の出ているデリヘル店に人妻をオーダーした。気持ちよかった。